こんにちは!医師のいっしーです!
以前、男性の薄毛(AGA)治療の概要について、書かせて頂きました。
今回はその中でも、男性の薄毛(AGA)治療薬として内服・外用療法に用いられる「ミノキシジル」について、今回書いていこうと思います!
薬の成分や効果だけでなく、副作用についても書いていこうと思います。
「ミノキシジル」 は男性の薄毛(AGA)治療において必須の薬ですので、AGA治療を考えている方々には必須の内容かと思いますので、是非お読みください!
ミノキシジルとは?
ミノキシジルは、優れた発毛効果が期待できるAGA治療薬の一つです。
もともとは高血圧症治療のために開発された薬ですが、ミノキシジルを服用した人に多毛の症状が見られたことから、のちに発毛剤としての開発がスタート。
その後、AGA治療薬として承認され、現在は世界90ヶ国以上で薄毛治療の薬として使用されるようになりました。
ミノキシジルがAGAにどのように働きかけるのか、まずは薬の効果を解説していきます。
血管を拡張して頭皮の血行を改善
ミノキシジルには、血管を拡張して、頭皮の血行を改善する効果があります。
血行が改善されると、髪の成長に必要な栄養や酸素が届きやすくなり、太くてコシのある毛髪を成長させるサポートをすると考えられています。
髪の成長因子の産生を促進
髪の毛が成長するには、毛乳頭細胞を増殖させ、髪の主成分となるタンパク質を合成させる必要があります。
ミノキシジルには、髪の成長因子を産生する働きがあり、毛乳頭細胞そのものを増殖させます。
ミノキシジルが産生を促すのは、「インスリン様成長因子1(IGF-1)」と「血管内皮細胞増殖因子(VEGF)」などの発毛シグナルです。
これらの成長因子が増えることで髪の細胞分裂が活発になり、太くて硬い健康的な髪の毛が作られます。
毛母細胞の死滅を抑制
ミノキシジルには、髪の成長に欠かせない毛母細胞の死滅(アポトーシス)を抑制する働きもあります。
毛母細胞は、大ケガや手術、レーザー治療などの強い刺激を受けなければそう簡単に死滅するものではありません。
ミノキシジルは、このような強い刺激によるダメージも防ぐことができる強力なAGA治療薬なのです。
ミノキシジルは内服薬と外用薬の2種類がある
ミノキシジルは、内服薬(ミノキシジルタブレット)と外用薬の2種類があります。
内服薬は、もともと血圧降下剤として使用されてきた薬です。
AGA治療薬として使用する場合は、低容量のものからから開始して、治療経過や心臓への負担を確認しながら処方量を調整していきます。
外用薬は、薄毛が気になる部分にピンポイントで塗布できるのが大きな特徴です。有効成分が頭皮に浸透し、毛包まで届くことで発毛することができます。
より高い効果を実感していただくには、内服薬と外用薬を併用することをおすすめしています。
ミノキシジル外用薬 | ミノキシジル内服薬 | |
メリット | 薄毛が気になる部位にピンポイントに塗布できる | 外用薬よりも強い発毛作用がある |
デメリット | まれにかゆみやかぶれなどの副作用が起こることがある | まれに立ちくらみやめまいなどの副作用が起こることがある |
ここでは、内服薬と外用薬に分けて説明していきます。
ミノキシジルに内服薬の効果
ミノキシジル内服薬には、以下の効果があります。
効果①血管拡張による血行改善
ミノキシジル内服薬を服用すると、血管が拡張されることによって血流が良くなります。
血流が良くなることで、髪の成長に必要な栄養や酸素が届きやすくなり、太くて硬い健康な髪が生えやすくなると考えられます。
効果②髪の成長因子を増殖させる
ミノキシジル内服薬は、髪の成長にかかわる毛乳頭細胞に直接働きかけます。
具体的には、健やかな髪を作るのに欠かせないアデノシンという成分を分泌させ、髪の成長因子であるVEGFやFGF-7、KGFなどを増殖させます。
これらの物質が増えることで毛包内の細胞分裂が活発になり、新しい髪の毛が作られたり、1本1本が太く硬く成長するのです。
ミノキシジル外用薬の効果
ミノキシジル外用薬には、以下の効果があります。
効果①優れた育毛・発毛効果が期待できる
ミノキシジル外用薬を塗布すると、髪の成長を促し、発毛させることができます。
日本皮膚科学会のガイドラインによると、AGA治療におけるミノキシジル外用薬の使用は、最高のAランクと評価されています。
プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)は、薄毛の進行を予防するための薬ですが、ミノキシジルはしっかりと発毛させられるので、薄毛にお悩みの方の心強い味方となる薬です。
効果②抜け毛予防と発毛どちらの効果も期待できる
ミノキシジルは、発毛作用以外にも抜け毛の予防にも効果的です。
血管を拡張し、髪の成長に必要な栄養や酸素を届けてくれるので、AGA以外の脱毛症や女性の薄毛改善 にも使えます。
ミノキシジルで起き得る副作用
ここからは、以下のミノキシジルで起こりうる5つの副作用について解説していきます。
- 初期脱毛
- 血圧低下による立ちくらみやめまい
- 多毛症
- 動機や息切れ
- かゆみやかぶれ
まずは初期脱毛から解説していきます。
副作用①初期脱毛
初期脱毛は、ミノキシジルをはじめとするAGA治療薬で起こりやすい副作用です。
薬の効果で毛母細胞が活発になると、AGAによって乱れたヘアサイクルが整い始めます。
これによって、成長を終えて抜け落ちるのを待っている退行期の毛が続々と抜け落ちます。この現象を初期脱毛と言います。
初期脱毛は、もともと抜ける予定だった毛が抜けるだけであり、あくまで一時的なものなので、あまり気にする必要はありません。
とはいえ、薄毛予防の薬で抜け毛が増えるのは心配という患者様もいらっしゃいます。
初期脱毛は、早い方だと服用開始から10日ほどで始まり、1ヶ月半ほどでおさまります。
この期間を目安として、2ヶ月以上抜け毛がおさまらない場合は医師に相談してください。
副作用②血圧低下による立ちくらみやめまい
ミノキシジルは、もともと高血圧症の治療のために作られた薬です。
AGA治療薬として服用した場合も、成分が同じである以上当然血圧も低下しますので、ミノキシジルを服用することで立ちくらみやめまいを感じることがあります。
ただし、これらの副作用が出たとしても軽症であることがほとんどで、服用を継続することで徐々に症状はおさまります。
ちなみに、血圧低下による立ちくらみやめまいは、ミノキシジル内服薬を服用した場合にのみ起こりうる副作用で、外用薬で血圧が下がることはありません。
副作用③多毛症
発毛作用のあるミノキシジルは、頭皮だけでなく、全身の毛根にも一定の効果を発揮します。
そのため、ミノキシジルを服用することで、全身の体毛が増えたり濃くなるなど多毛症の症状が見られる患者様もいらっしゃいます。
多毛症自体は重篤な副作用ではありませんが、毛髪以外の毛が増えるのを気にする方がいるのも事実です。
この場合、薬の量を調整したり服用を中止することで改善しますので、気になる方は医師と相談の上で今後の治療方針を決めていきます。
副作用④動悸や息切れ
ミノキシジル内服薬を服用すると、動悸や息切れなどの副作用が見られる場合があります。
これは、血管が拡張されて血流が良くなることが原因で、運動をした後のように心臓がドキドキすると感じる患者様もいらっしゃいます。
こちらも薬を継続することで徐々におさまりますが、服用開始から数ヶ月は体の変化に注意する必要があります。
副作用⑤かゆみやかぶれ
かゆみやかぶれは、ミノキシジル外用薬を使用することで起こりうる副作用です。
これは、ミノキシジルに含まれる成分によってアレルギー反応を起こすことが原因で、肌が弱い方に起こりやすいと考えられています。
万が一このような副作用が見られた時は、すぐに医師へ相談してください。
「ミノキシジルを使った方が良いか分からない・興味がある・飲みたい」という時には…
いかがでしたか?今回は、男性の薄毛(AGA)治療の代表的内服薬「ミノキシジル」について書きました。
読んでいただいた方には、「ミノキシジル」がAGAに効果がある薬だということが理解いただけたと思います。
ここで重要なことをもう1つ。「ミノキシジルの内服には医師の診察が必要」です。
なので、男性の薄毛(AGA)の診断・ 「ミノキシジル」 を内服した方が良いという判断も含め、専門のクリニックの受診診断が必要不可欠と思います。
AGA(=若ハゲ)の進行ペースや治療内容は、患者様によって一人一人異なります。悩んでいる間にもAGAは確実に進んでいくので、気になり始めたら、まずは専門クリニックを受診してください。
おすすめのAGAクリニック
これまで複数のAGAクリニックで勤務してきましたが、そのクリニックによって診断法・治療法は様々です。
今私が勤務している「AGAクリニック東京」では、医師による頭皮診断と患者様一人一人に合わせたAGA治療を行っています。
私の経験から申しますと、AGAだとしても正しい治療をすればほぼ確実に発毛の効果が出ます。
現代では、「AGA(=若ハゲ)は、治る病気」です。
悩んでいる間にもAGAは確実に進行するので、気になり始めたらすぐに気軽に御相談を下さい!
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