こんにちは!医師のいっしーです!
前回、男性の薄毛(AGA)治療の概要について、書かせて頂きました。
今回はその中でも、男性の薄毛(AGA)治療の内服薬として頻用される「プロペシア(フィナステリド)」について、今回書いていこうと思います!
薬の成分や効果だけでなく、副作用についても書いていこうと思います。
「プロペシア(フィナステリド)」 は男性の薄毛(AGA)治療において必須の薬ですので、AGA治療を考えている方々には必須の内容かと思いますので、是非お読みください!
プロペシア(フィナステリド)の効果 → 抜け毛を減らし、薄毛を改善させる
プロペシア(フィナステリド)がどのような薬かを知るため、まずはAGAを発症するメカニズムと、プロペシア (フィナステリド) がどのように働きかけるかを解説していきます。
5αリダクターゼの働きを抑制
AGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンに5αリダクターゼという酵素が結びつくことが発症のきっかけとなります。
5αリダクターゼと結合したテストステロンは、より強力なジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンに変換されます。
毛乳頭細胞の中にある男性ホルモンレセプター(受容体)がDHTの存在をキャッチすると、抜け毛の原因となるTGF-βという脱毛因子が増加。
TGF-βが、毛乳頭細胞に脱毛の指令を出すことで抜け毛が増え、その結果AGAによる薄毛が進行するのです。
プロペシア(フィナステリド)は、AGAのきっかけとなる酵素5αリダクターゼの働きを抑制し、薄毛の進行を予防していきます。
プロペシア(フィナステリド)の服用を継続することで薄毛が改善
5αリダクターゼの働きを抑制するプロペシア(フィナステリド)は、薄毛の進行を予防する効果のある薬です。
AGAは進行性の脱毛症ですから、何も治療をしなければ薄毛の範囲が広がるのを止めることができません。
プロペシア (フィナステリド) を服用すれば、抜け毛が増えるのを予防し、AGAによる薄毛を改善する効果が期待できます。
ちなみに、プロペシア (フィナステリド) と同じくらいよく知られているミノキシジルという薬には、薄毛が進行している部位を発毛させる効果があります。
プロペシアとフィナステリドの違い
AGAの治療薬としてよく知られているプロペシアは、先発薬としての名称です。
フィナステリドはプロペシアの主成分で、5αリダクターゼの働きを阻害する働きを持っています。
薬の名前がプロペシア、成分名がフィナステリドと覚えておくとわかりやすいでしょう。
ちなみに、フィナステリドは後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品の名称にもなっています。
新薬を開発するには膨大な費用がかかる上、必ず製品化されるとは限らないというリスクが伴いますが、ジェネリック医薬品は製造コストを抑えられるのが大きなメリットです。
プロペシアで起こりうる2つの副作用
ここまで読んでいただければ、 プロペシア (フィナステリド)がAGAに効果がある薬だということはご理解いただけたと思います。
ここで、発生頻度は非常に低いですが(1000人に1人程度)、この薬を飲むと生じうる副作用について説明したいと思います。
副作用①性欲減退
プロペシア (フィナステリド) 服用によって起こりうる副作用1つ目は、性欲減退です。
性欲減退が起こる確率は1000人に1人いるかいないかと極めて少なく、プロペシア (フィナステリド) を服用することへの不安が性欲減退につながっているとの見方もあります。
プロペシア (フィナステリド) が生殖機能に悪影響を及ぼすことはありませんので、子作りを考えている方でも安心して服用できます。
副作用②肝機能障害
肝機能障害は、プロペシア(フィナステリド)に限らず全ての薬で起こりうる副作用です。
なぜかというと、服用した薬の多くは肝臓で分解されるからです。これによって肝臓に負担がかかり、何らかの肝機能障害を引き起こすと考えられています。
もともと肝炎や肝硬変などの持病がなけれまで、プロペシア服用による肝機能障害は可能性が低いと考えられるでしょう。
プロペシア(フィナステリド)を飲むのを避けるべき方
プロペシア (フィナステリド) で副作用が起こる可能性は極めて低いとお伝えしましたが、以下に該当する方は服用ができません。
・妊娠中、または妊娠している可能性がある方
・授乳中の方
・思春期、または思春期前の方
男性ホルモンに作用するプロペシア (フィナステリド) は、体内の男性ホルモン値が少ない女性や、思春期の男性の服用が禁止されています。
わずかではありますが、皮膚から薬の成分が吸収される可能性があるので、不用意に薬に触れないよう注意が必要です。
また、プロペシア (フィナステリド) は前立がんの早期発見に使う腫瘍マーカー(PSA)を半減させる効果があります。
前立腺がんの検査目的で腫瘍マーカーを測定する際には、出た検査値を2倍にして考える必要があります。
もう一つ、妊娠している可能性がある女性にプロペシア (フィナステリド) を含む血液が輸血させる可能性があるため、薬を飲んでいる間はもちろん、薬を飲み終えてから薬が完全に体から抜けきる1ヶ月間は献血を避けてください。
「プロペシア(フィナステリド)を飲んだ方が良いか分からない・興味がある・飲みたい」という時には…
いかがでしたか?今回は、男性の薄毛(AGA)治療の代表的内服薬「プロペシア(フィナステリド)」について書きました。
読んでいただいた方には、「プロペシア (フィナステリド)」がAGAに効果がある薬だということが理解いただけたと思います。
ここで重要なことをもう1つ。「プロペシア (フィナステリド)の内服には医師の診察が必要」です。
なので、男性の薄毛(AGA)の診断・ 「プロペシア (フィナステリド)」 を内服した方が良いという判断も含め、専門のクリニックの受診診断が必要不可欠と思います。
AGA(=若ハゲ)の進行ペースや治療内容は、患者様によって一人一人異なります。悩んでいる間にもAGAは確実に進んでいくので、気になり始めたら、まずは専門クリニックを受診してください。
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これまで複数のAGAクリニックで勤務してきましたが、そのクリニックによって診断法・治療法は様々です。
今私が勤務している「AGAクリニック東京」では、医師による頭皮診断と患者様一人一人に合わせたAGA治療を行っています。
私の経験から申しますと、AGAだとしても正しい治療をすればほぼ確実に発毛の効果が出ます。
現代では、「AGA(=若ハゲ)は、治る病気」です。
悩んでいる間にもAGAは確実に進行するので、気になり始めたらすぐに気軽に御相談を下さい!
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